工房壱 手描き和柄絵師・YASKE氏インタビュー

工房壱 手描き和柄絵師・YASKE氏インタビュー
少し前になるのですが取り扱って戴いているアーティスト.COMさんよりインタビューを受け、サイトの方へ掲載いただいたのですが自分達では表現しにくい部分を上手に纏めていただいたので紹介します!!
 
 
 

Tシャツをはじめ、数多くの和柄ファッションを発信する工房壱の専属絵師YASKE氏に、手描き制作のプロセスや和柄の魅力などについてお話を伺いました。

工房壱 手描き和柄絵師・YASKE氏インタビュー
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素敵な和柄Tシャツを沢山描いていらっしゃるYASKEさんですが、まずは経歴を教えて下さい。

地元兵庫の高校を卒業後、専門学校を経てグラフィック関係の会社に2年ほど勤めていました。
その後独立し、2005年から工房壱の専属の絵師として活動を始めました。
絵師という職業を選んだ理由は?

子供の頃から絵を書くのが大好きでしたし、大きくなったら絵描きになりたいってずっと思っていました。小学生の頃から学校の図書室にある画集や、本屋さんに並んでいる色んなアーティストの画集なんかをよく見ていましたね。当時はいつかこんな絵を書いてみたいなーって漠然とですけど(笑)高校生の頃に、バンドをやっている人や演劇をやっている人たちと知り合ったのもきっかけの一つかもしれません。自分のイラストを展示したり、シールにして売ったりしているうちに、私の仕事はやっぱり絵を書く事だなって感じていました。
手描きファッションを手掛けられるようになったきっかけは?

工房壱の社長に「そんなに絵が好きなら一度Tシャツに書いてみない?」って軽いノリで誘われたのが始まりです。それまでにも色んな素材に色んな画材で絵を書いてきたのですが、衣類に絵を書くという発想が面白く感じましたね。ファッションとして新ジャンルを確立出来るような期待感も大きかったです。
商品として完成するまでには色々と苦労もあったのではないですか?

そうですね。当時は手描きのファッションブランドというのはあまり無かったですし、どんな絵具で書けばいいのか随分と苦労しました。ただ単に布に書ければ良いというものでもなく、洗濯しても落ちない事はもちろん、日に当っても色落ちしないとか、とにかく慎重に選びました。あちこちの画材店を探し回り、買ってみては何度も試し書きをしてやっと今の絵具と画材に落ち着きました。もちろんコスト面でも苦労はしましたけど(笑)

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工房壱の手描きTシャツはやはり和柄のイメージが強いですが、絵柄のデザインで意識している所はありますか?

私達がデザインしている和柄は、いわゆる古典的な和柄ではなく、現代的な要素をギリギリまで詰め込んでいます。なので今の若い人達にも気軽に楽しんでもらえるようなデザインを心がけています。今では多くの和柄Tシャツのブランドがありますが、一目見て、「それ、工房壱だね」と分かってもらえるようなオリジナリティーを大切にしたいと考えています。和柄が好きな人はもちろんですが、和柄にこだわらないお客様など多くの方々に受け入れられるデザインを意識しています。

YASKEさんにとって、和柄の魅力とはどういった所でしょうか?

やはり独特のモチーフとして、「描きたい心」をくすぐりますね(笑)。色の付け方や他のモチーフとの組み合わせによって、アジアンテイストや時にはエスニックっぽい雰囲気になったり、またドクロなども取り入れてちょっぴりハードなデザインになったりもします。日本の伝統的な和柄の要素に他の要素をプラスする事でデザインは無限にひろがります。もちろんどんな洋服にも似合いますし、普段の何気ない服装に「粋」を感じられるのがかっこいいと思います。
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手描きの魅力は何でしょうか?

プリントには出来ない配置であったり、モチーフに挑戦出来るところ、それから人の手独特の風合いが生まれるところが魅力だと思います。
一枚一枚人の手で作る訳ですから、同じ絵柄でも個々に微妙な違いがあります。手描きは同じ絵柄を何十枚描こうと何百枚描こうとプリントのように全く同じになる訳ではないので、全てが一点物と捉える事が出来る所でしょうね。もちろん描く側としてはものすごく神経を使いますが、この世に一枚しか無い服ですし、またお客様がすごく大切に着てくださっているのが分かるので描いて良かったって思えますね。品質の維持が難しいジャンルだからこそやり甲斐もあります。
確かに手描きはレア度も高く、自分の為に描いてもらったという嬉しさもありますね。

YASKEさんの手描き服をお買いになったお客様の反応で嬉しかった事を聞かせてください。

お子様を連れて来店されるお客様が多いのですが、子供さん自身が私の描いたTシャツを気に入ってくれる事が多いのでとても嬉しく思っています。子供さんは素直に自分の感性だけで「着たい」か「着たくない」を決めますし、お店に入るなり店内のTシャツを広げて「これ欲しいっ!かっこいいっ!」って言ってくれたりするのがとっても嬉しいです。もちろん大人のお客様も何度もリピートしてくれたりして「新しい絵柄はいつ出るの?」って期待してくれたりすると励みにもなります。先日もキッズTシャツをご購入された親御さんから、「子供が気に入ってなかなか洗濯させてくれないんですよ」って聞かされた時はちょっと感動しちゃいました(笑)
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それでは最後に今後の展望をお聞かせ下さい。

まず私個人としては、アートTシャツとしての作品を確立させていきたいと思います。自分の感性のままに、自分を表現するキャンバスとしてのTシャツを作っていきたいですね。工房壱としてはTシャツやパーカーだけじゃなく、デニム素材や革製品などの新しい分野にも絵を付けてみたり、従来の洋服には無かったような新しいモチーフをデザインして手描きファッションを更に身近なものにしていけたらいいなと思っています。

素敵な和柄Tシャツやパーカーなどを展開する工房壱の人気の秘密が垣間見えたような気がします。
工房壱、そして絵師YASKEさんの更なる活躍を期待しています。貴重なお話しをありがとうございました。

2011年4月
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アーティストプロフィール
Tシャツ・パーカー・子供服など、一枚一枚心込めて手描きしています。手描きファッションをもっと広め、多くのお客様に届けていきたいですね。
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